2020.10.01
「理想的なワークスペース」 建築士の手帳 | VOl.3
どうもこんにちは!建築士の鈴木です。
こちらの建築士の手帳では、僕が日々思う建築にまつわるメモをご紹介。
家づくりの小さなヒントになれば幸いです。
本日は「ワークスペース」についての話
少し以前からの話ですが、お家の計画にワークスペースを取り入れたい!という声が増えてきました。
最近では生活様式の変化もあり、より一層お家の中で働けるための場所を確保したい。
という声が強くなってきています。
今回はその「ワークスペース」についての理想的な在り方を考えていけたらと思います。
そもそも理想的なワークスペースとはなんだ・・・?
というところですが、僕の話を例に挙げますと、
生活様式の変化の例に倣って我が家でもワークスペースらしきものを確保しました。
2畳程度に、デスクと、パソコンと、本棚と。
確保はしましたが、、、全くやる気が起きません!!!汗
やはりスペースを確保するだけでは理想的な過ごし方とは程遠い、、と痛感しました。
そこでしばらく作業をしているうちに、自分にとって理想的な作業環境ってどんなだろうかと考え始めました。
僕の中で出た答えは、カフェみたいな空間が理想的。という事でした。
更に厳密に考えると、それは喫茶店ではなくて、大手チェーンカフェのように広がりがあって、少し騒がしい感じ。
となると逆に大手チェーンカフェは自分の中でどういう要素で構成されているんだろうと考えました。
それが以下です。
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・天井は高く3mを超える場合が多い。もしくは上に意識を向ける板張りや配管現し。
・路面に面する大きく光を取り入れる面、中にいくにつれて暗くなっていく空間が繋がっている。(自分が好きなのは路面側ではなく路面側から2~3席中へ入った席。)
・空間を構成する素材は石,タイル,木が多い。特に自分は石の素材感で緊張感を感じる。
・自分の身長程の観葉植物がよく置いてある、それが常に視線のどこかに入る。
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とほんの一部ですが、これらが自分がカフェを心地いいと認識している要素であると考えました。
そして上の要素を空間に組み込んでいく事で、理想的な作業環境が手に入ると考えました
「そもそもカフェってコーヒーを提供する場であって、執務空間ではないのでは?」
という考え方もあると思いますが、
僕は、心地いいに用途をあえて決める必要はないと思っています。
銭湯で話しているときが一番話が弾むなら、銭湯みたいな会議室でもいいし、
オフィスみたいなオフィスが窮屈で、カフェにひとがいっぱいになるのなら、
そもそもカフェがオフィスであるべきだ!ということです。
(お店の人に迷惑をかけてもいい。という事ではありません)
長々とお話ししてしまいましたが、
用途とその常識にとらわれないで、自分の心地いい要因を紐解いていく事が重要です。
特にワークスペースなどのスペースとして小さいものは、計画の最後の方で、後付けされがちなもの。
「とりあえずどこかしらにワークスペースを作りたい、余ったここのスペースに。」では
使いづらいワークスペースが出来てしまうかもしれません。
空間が小さくても、要素の積み重ねで広がりを出すことだって可能です。
暮らしの理想から想像を広げて、是非とも一緒に心地いい空間を作っていけたらと思っております。
ということで
理想的なワークスペース→一度自分にとって働きやすい環境にどんな要素があるかと考えてみる。要素から紐解いて空間を考える。
(あくまで僕の意見です!)
建築士の手帳
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