2024.08.23
測量器具がなくても測れます(だいたい…)。
今回は、単位と測量の話をします!
不動産における単位と測量の話です。
計数不得手(※実は筆者も計数不得手…)の方が退屈にならないように説明します!
学校で教えてくれる長さを示す単位は 、ミリ、センチ、メートル、キロメートル…
バブル期に社会に出て、ゴルフを始めると、 インチ、フィート、ヤード…
高齢者や農家の方に面積や寸法を聞くと、 町歩、間、尺、寸…
はっきり言って多すぎます。
建築の世界では、 寸、尺、間 が主流なっており、 土地や土木の世界にも、その影響は色濃く残っております。
英語では、基本単位を「モジュール」と言います。
メートル法を基本単位にする場合は、メーターモジュール
尺や間を基本単位にする場合は、尺モジュールと言います。
土地の寸法は、メーターモジュールが主流となっております。
しかしながら昔からあった道は尺モジュールが基本となっていたので、
場所によっては 建物を建てる場合、道路後退(セットバック)するように行政指導が出る場合があります。
道路のセットバックの場合、原則として道路中心線からの道路後退となるので、
例えば、
1間道路の場合は、1間=1.82m
中心は0.91m地点なので、
2.0m-0.91m=中心線から1.09mの道路後退となります。
2間道路の場合は、2間=3.64m
中心線は1.82m地点なので、
2m-1.82m=0.18mの道路後退となります。
建物は、尺モジュールによるものが主流です。
私が社会人となった約26年前頃は、バブルの影響なのか、建物の世界にもメーター モジュールが入ってきましたが、2つのモジュールの混在は設計上不便でる為、現在では尺モジュールが主流となっております。 モジュールが混在すると、1階と2階の壁や柱がズレてしまい、構造上弱くなったり、寸法調整の為、端材(はざい ハンパな寸法の材料)が増えて、廃棄する部材が増えてしまいます。
私共土地の売買を生業にする者は、見に行った土地付近にあるいろんな工作物を使ってだいたいの寸法を割り出します。
例えば…
■敷地の道路への接道距離を確認する場合は、
1.道路脇にあるL型側溝、地先境界ブロック、U字溝のフタは幅60cm。
2.コンクリートブロックの寸法は幅40cm×高さ20cm。
3.大谷石ブロックの寸法は幅90cm×高さ30cm
4.メッシュフェンスの支柱間は2m。
※異なる寸法のものもあります。
↑幅60cmの工作物
↑コンクリートブロックの寸法
↑大谷石の寸法
■高さを確認する場合は、
1.コンクリートブロックの高さは20cm
2.メッシュフェンスで多く使われているものは高さ60cm又は80cm。
※異なる寸法のものもあります。
■建物の寸法を確認する場合は、
1.1階部で約3.5m(基礎0.55cm、階高2.4m、階床50cm)
2.アルミサッシ掃き出し窓は内寸で幅1.6m×高さ2.0mが多く採用されている。
※1間(1.82m)の内寸で設置できるように作られています。天井高2.4mの場合、
サッシ上部から約40㎝が天井と推測できます。
和室のアルミサッシの場合は、内寸が幅1.6m×高さ1.8mのものもあります。
※アルミサッシの寸法は半間、1間間隔に入るように施工されている場合が多いので、
それにより建物の間口や奥行もだいたい判ります。
3.ユニットバス1616サイズは、1.82m×1.82mの内寸に収まるサイズで作られています。
4.和室の畳寸法は、関東においては主に2つのタイプが採用されています。
・江戸間…1.76m×0.88m
・団地間…1.7m×0.85m
※木造一戸建てでは江戸間サイズ、RC建築物では団地間が主に採用されています。
5.木造2階建て建物(軸組工法)の地面から2階の軒までの高さは約6mであることを
覚えていれば、近くに擁壁がある場合擁壁の高さが分かります。
■南方向の計測も時計と太陽でだいたい判ります。
1.春分の日と秋分の日の東と西を9時と3時の位置とし、時期により誤差補正する。
2.方位測定時間を9時と3時の方位に合わせ南方向を確認する。
※季節に関係なく、12時の太陽の位置に12時を合わせて確認もできます。
因みに方位には真北と磁北があります。
地球の地軸が傾いている関係で2種類あります。日照に影響するのは磁北です。
他にも測量器具を使わずに周りにあるものを利用してだいたいの寸法の計測をする方法はあります。
他の方法を知っている方は教えてください!
次回の不動産コラムもお楽しみに♪