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2021.03.04

「造作」について  建築士の手帳 | VOl.7

 

どうもこんにちは!建築士の鈴木です。

 

こちらの建築士の手帳では、僕が日々思う建築にまつわるメモをご紹介。

家づくりの小さなヒントになれば幸いです。

 

本日は「造作」についての話

お家づくりを考えている方には聞き馴染みのある言葉かと思います。

弊社では、建具や棚などメーカーさんが販売しているものを据え付けるだけではなく、

木や鉄などの材料を加工し、時に設備器具を合わせてものをつくることを「造作」と呼んでいます。

弊社からご提案させて頂くことも多く、「ネットで見つけたあの写真の雰囲気を実現したい!!」とお客様からご相談を頂くことも多いです。

 

よくお客様から頂く質問として、結局造作とメーカーの既製品、どこがどう違うの??

ネットでいろいろ調べたものの、自分はどっちを選んだらいいんだろう??

とのご質問を頂くことが多いです。

ということで今回はそんな造作のメリットデメリットをご紹介したいと思います!!!

 

 

☆造作のメリット☆

1.素材から考えられる

造作のメリットとして1番初めに挙げられるポイントが、素材が自由なことがあげられるかと思います。

 

こちら弊社で施工させて頂いた造作の洗面台、お風呂ですが、表面の材質はモルタルで構成されています。

無垢材や鉄、モルタル。自分に馴染む素材に囲まれて暮らしたい。

そんな想いの強い方には造作が向いているかと思います。

家は仕事場と同じか、それ以上に人生の中での時間を多く過ごす場所。

自分に合う素材に囲まれて過ごす時間は想像以上に贅沢なものであると思います。

 

 

2.形状、デザインから考えられる

こちら1.と少し似ているところがありますが、僕の中では1番重要なポイントであると思っています。

世の中にある全ての人工物は、どこかの誰かが、誰かのためにデザインしたものです。

オーダーメードでない限り、特定の1人に向けてものを作ることは少ないと思います。

建築におけるデザインとは、見た目の良さはもちろん、同時に機能を備えることが問われると考えています。

好きな素材、好きな色があるように、好きな形があるものです。

あなたの好きな形で、使いやすいものが作ることの出来る可能性があるのが造作です。

 

少し大げさに書きましたが、線は細い方が好き、太い方が好き。重いより軽いイメージが好き。など人それぞれです。

お客様の好みに合わせてデザインをご相談させて頂けるのが造作の魅力かと思います。

 

 

3.サイズが自由であること

一般的に考えられるメリットが、サイズが自由であることかと思います。

どうしてもこのスペースに洗面台が作りたい、天井までつながる本棚が欲しい、この余ったスペースに何か棚を作りたい。このサイズで、何かを作りたい。

そんな時は造作の出番です。

ご希望のサイズに合わせてオリジナルのものをピタッと配置することができます。

 

 

 

☆造作のデメリット☆

1.コスト

1番初めに登場するのがコストです。

弊社でも造作のキッチンの価格を聞いて、思ったより高い!とおっしゃられる方が多いです。

実はこのコストに関しては、一概に造作が高い。のではなくそれなりの理由があります。

例えば造作のキッチンを例にとりますと、

メーカーさんのシステムキッチンと同じような機能を造作に持たせようとすると、コストはかなり高くなります。

 

「キッチンの収納扉は必要。棚板は多めに。スイッチやコンセントの場所もここに欲しい、IHに油跳ね防止ガラス、掃除のしやすいシンクに食洗器、レンジフードにはこの機能がほしい。」

こうなると造作でのコストは高くなってしまいます。

造作のコストが高いというよりは、システムキッチンのコスパが非常に良いと考えております。

造作の場合、1つ1つの部材を取り寄せて、それぞれの業者さんが取付を行うため、材種、工種が多くなればなるほど、コストが高くなってしまいます。それを手作業で行うためなおさらです。

その点システムキッチンは一連の工程で制作するため、多機能で使いやすいものを、価格を抑えてお客様にお届けできるのではないかと考えます。

 

ですので造作のコストによるデメリットに関しましては、使い方。によるところが大きいです。

造作キッチンの例においても、棚の無いシンプルな形状なものであればコストを抑えることができます!!!

しかしそれでも造作キッチンよりシステムキッチンのがお安いことが多いのも事実!(もちろん仕様によって異なります。)

一つ一つが手作業のため、見た目の材料の量に比べてコスト高になってしまう事が造作のデメリット。

手の込んだ作業、工種のボリュームが多いものになると尚更です!

 

 

2.耐久性・メンテナンス性

ここに関しては一概に言えない部分もありますので私の想像を踏まえてお話しさせて頂きます!

一般に造作の物より、メーカーの既製品のものの方が壊れづらく痛みづらいイメージがあると思います。

そのイメージ、あながち間違っていないと考えます!

造作のものが1つずつ組み立てるのに対して、既製品は一連の工程で制作します。どちらも壊れづらく作るのはもちろんですが

継ぎ目や接合部に若干の正確性の差があることは否定できないかと思います。

又、ここから先は僕の想像の範疇ですが、これも造作、既製品どちらもトラブルが起こらないよう作るのはもちろんですが、既製品に関しては、よりトラブルが起こらないように作られている気がします。

正確にはトラブルが起こらないように作るのは造作も同じなのですが、既製品ではトラブルが起こるようなリスクを取らない、と言えるのではないかと思います。

例えば無垢の木材をそのまま扱ったシステムキッチンは非常に少ないです。本物の石張りのシステムバスなどは聞いたことがないと思います。

需要があるものをつくるということはもちろんあると思いますが、扱いづらい材料を使う事はトラブルの発生源であり避けたい事項なのではないかと思います。

同様のものを大量に生産する分、生産したあとにトラブルが発生するような材料、またそのような仕組みに対しての扱いは非常に慎重なのではないでしょうか。(あくまで僕の想像です)

 

 

これは両者にとってメリットでありデメリットであると言えます。

なのでお客様のニーズに合わせて適切に組み合わせることが重要であると考えています!!

多少のトラブルがあっても、素材感やデザインを優先したい方には造作。

棚や扉は本物の木だから多少歪んでも大丈夫だけど、水回りのトラブルは極力なくしたい。そういった方には水回り品はシステムの既製品をおすすめします。

併せて再三再四申し上げますが、造作だからと言ってトラブルが起こってもいい。というわけではありません!!!

これに関してはしっかりとした工事を行える業者選定が大切です。

それぞれの特徴を理解しながら適切に組み合わせることがよいのではないかと思います。

 

弊社の実例で、無垢材を使ったシステムキッチンと、造作のカウンター。

システムキッチンの機能と空間に合わせた造作カウンターの組み合わせが、お互いのよさを引き出しています。

 

 

ということで

今回は造作のメリットデメリットをご紹介させて頂きました。

一長一短を理解して、自分に合った暮らしを見つけていただければ幸いです。

又、アートテラスホームでは、お客様のご希望やご予算に合わせてトータル的にご提案させて頂くことが可能です!!

 

自分は何を造作にした方が理想の暮らしに近づくのか、という方でも

お話から紐解いて、造作の部分、既製品の部分とご提案させて頂けますので

是非一度ご相談ください!!!

 


 

建築士の手帳

建築士の手帳では、僕が日々思う建築にまつわるメモをご紹介。

家づくりの小さなヒントになれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

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